ALL I WANT IS YOU



	「ねぇ蛮ちゃん。」

	「んだよ?」

	「日にち、決めたほうがいいよね?」

	「なんの?」

	「なんのって、Hする日に決まってんじゃんv」

	(蛮、銀次を殴る。)

	「いってーっっ!なんで殴んの!?」

	「うるせーっ!なんでんなもん、決めなきゃなんねーんだ!?」

	「そりゃもちろん、蛮ちゃんに有耶無耶にされないように……いてっ。」

	(蛮、再び銀次を殴る。)

	「人聞きの悪ぃこと言ってんじゃねぇ!ったく。」

	「だって蛮ちゃん、はぐらかすの上手いじゃん。それに引っ掛かっちゃう俺もダ
	メダメなんだけどさ。でも!今回の件については俺、かなり本気だから!ここで
	きちっと決めておいて、んでもってその日は絶対するからね!H!!」

	「力説すんな!!」

	(蛮、真っ赤になってもう一度銀次を殴りつける。)

	「だから痛いって蛮ちゃんっ。そんなポンポン殴んないでよっ!これ以上バカに
	なったら困るじゃん。」

	『………バカだって自覚はあんだな……。』

	(蛮、ぽつりと考える。)

	「でもよ、仕事が入ったらどーすんだよ?とてもじゃねーけど、その後に仕事な
	んて出来ねぇぞ?」

	「ん〜…それは確かに……そしたらその日はお休みで、次の日にすればいいじゃ
	んvとにかく決めよ?v」

	『ったってなぁ……。まあ、日が決まってっほうが、こっちも覚悟がしやすいか
	……?……待てよ?上手くすりゃ、そーいう時にすんのを防げんじゃねぇか?』

	「蛮ちゃん?」

	「あ?ああ。いーぜ?そんなに言うんなら決めてもよ。」

	「ホント!?やったvvvじゃ、何日にしよっか?」

	「17日。」

	「17日?なんで?」

	「別に。深い意味はねぇ。」

	「17日ねぇ……って、それ蛮ちゃんの誕生日じゃん!!」

	『チッ。気がついたか。』

	「いーじゃねぇかよ。この日ならオメーも忘れねぇだろ?」

	「ダメダメダメ!!そんな日にすることに決めちゃったら、蛮ちゃんとHする回
	数減っちゃうじゃん!だから絶対ダメ!!」

	「テメっ!誰がやらすって言ったよ!?ふざけんな!」

	「ふざけてなんかないよ!蛮ちゃんの誕生日はとーっても!大事な日だから、だ
	から俺の全身全霊込めて蛮ちゃんに喜んでもらうの!そー決めてんだから!」

	「喜ぶかぁっっ!!」

	(蛮、耳まで真っ赤になって銀次を殴り飛ばす。)

	「なんでそんなに怒るかな〜?もー……。」

	(銀次、タレと化し腕を組んで悩む。)

	『テメーが怒らすようなこと言ってんだろーがっっ!!!』

	「とにかく!17日はヤだからね!」

	「………じゃ、19日。」

	「19って……俺の誕生日じゃん!!それもダメ!」

	「なんでだよ!?ぜってぇ忘れねーだろ!?この日なら!」

	「なんではこっちのセリフだよ!俺の誕生日は誕生日で、別にちゃんと蛮ちゃん
	に祝ってもらうんだから、一緒になんてもったいなさすぎ!!」

	「なんで"そう"だって決めつけんだ!?」

	「え!?蛮ちゃん俺の誕生日祝ってくんないの!?」

	(銀次、タレてビチビチと抗議する。)

	「誰もんなこと言ってねぇだろが!」

	「俺の誕生日のプレゼントが蛮ちゃんvvvなんて、俺ってぜーたくもんだよねぇv
	vvvvvvvv」

	(銀次、タレたまま嬉しそうに頬を染める。)

	「勝手に決めんなっっっ!!!」

	「蛮ちゃん、いくらなんでも声、大きすぎだと思うよ?」

	「誰のせいだ!?誰の!?」

	(蛮、叫んだ後ベッドに脱力する。)

	『もーヤだ………。』

	「ねぇ、他にないの?19日と17日以外の日でさー。」

	「……………24日。」

	(蛮、ベッドに突っ伏したまま呟く。)

	「24日?なんか半端な日だね?なんかあったっけ?その日。」

	「文句がねぇならその日でいーな?」

	「ああ!?」

	「な、なんだよ!?」

	「クリスマスイブじゃんそれって!!」

	「それがどーした。」

	「蛮ちゃ〜ん……もしかしてそーいう日にしたがってない?」

	「……別に。なんかある日のが忘れねぇだろ?だからだよ。他意はねぇ。」

	「ホントに〜?」

	「嘘じゃねぇ!……じゃ、24日でいいな?」

	「ダメ。」

	「ああ?」

	「クリスマスイブはまた別。イブに恋人同士がHするのは当然でしょ?だからダ
	メ!」

	(蛮、銀次に枕を投げつける。)

	「誰が恋人同士だ!?ってかクリスマスはそんな日じゃねぇ!!」

	「え!?違うの!?」

	「違うに決まってんだろがっっ!!ボケ!!!しかも12月は立て続けにする気
	でいんのかよ!?テメー俺を殺す気か!?」

	「蛮ちゃん。あんま怒鳴ると美人が台無しだよ。」

	「テメーが怒鳴らせてんだーろがっ!」

	(蛮、再びベッドに脱力する。)

	「だからさ〜。17日と19日と24日以外の日にしよーよぉ。ね、蛮ちゃん。」

	「……いーじゃねぇかよ、それ以外にしなくたってよ。」

	「ダーメ!そうじゃなくても一月に一回しかさせてもらえないんだから、そうい
	うイベントごとは大事にしなきゃ。二人の愛を育むためにもさv」

	「………………。」

	(蛮、無言のまま冷めた目で銀次を見る。)

	「あ!何!?その目!蛮ちゃんもしかして俺のことバカにしてる!?」

	「……よく分かったな。」

	「ひっでーっ。いいよもう。蛮ちゃんがそういう態度取るなら、俺のほうで勝手
	に日にち、決めちゃうもんね。」

	「あ?」

	「う〜んと、分かりやすい日がいいから、やっぱ1日かなv」

	「……1日だあ?」

	「そうv毎月1日は蛮ちゃんとのHデーvなんか、デパートでこういうのありそう
	だよね?」

	「あるかぁっっっ!!!」

	(蛮、叫んだ後咳き込む。)

	「だ、大丈夫!?蛮ちゃん!」

	(銀次、蛮の背中を摩ってやる。)

	「あんな大きい声出すから。」

	『だから!誰のせいだと思ってんだ!?』

	(蛮、咳き込みながら拳を握り締める。)

	「で、いいよね?」

	「……あ?何が?」

	「何がって、だからHする日!1日でいいよね?」

	「………好きにしろよ……。」

	「じゃ、決まりvへへへ〜〜vvvvv」

	「……嬉しそうだな、おい。」

	「そりゃもう!だって、これで蛮ちゃんに有耶無耶にされないですむもんねvしか
	も!明日は1日だし!vvvvvあ〜v早く明日になんないかな〜vvvvvvvvvvv」

	「……………………………。」

	(蛮、顔面蒼白になる。)

	「蛮ちゃん的には今回、ちょ〜っとキツイかも、だけどね。大丈夫!う〜んと気持
	ち良くしてあげるからvvv安心してvvv」

	(銀次、蛮の頬にキスする。)

	「……あ……安心できるかぁっっっ!!!」




	THE END



	
	「刻印」の続編です(笑)
	こうして蛮ちゃんは、毎月1日に銀次とHをすることに
	なりました(笑)(ちなみに「月華」はさらにこの後
	の話になっています。)
	珍しくもほぼ会話だけの話。
	書いててとっても楽しかったんですよねvクセになり
	そうです(笑)
	ちなみにこれを読んだ月海くんの感想は、「銀次が蛮
	ちゃんとHできる日を忘れるわけがない!」「毎月1
	日はHデー…ヤなデパートだな(苦笑)」でした。
	…確かに(笑)