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除夜の鐘と共に 「……鳴り始めたな。」 そうぽつりと洩らすと、雷帝はゆっくりと上体を起こした。 「……何……?」 乱れた息の下、不意に動きを止めた雷帝に、蛮はゆるゆると視線を向けた。 「除夜の鐘だ。」 「………ああ。」 言われ耳を澄ませば、確かに聞こえてくる鐘の音。 「今年も、もうあと少しで終る。」 雷帝の言葉に、確かにそうだなと、蛮は静かに目を閉じた。 「何のために鐘を撞くか、教えてくれたのはおまえだったな。」 「そうだったか?」と目で問えば、雷帝は薄く笑んでみせた。 「煩悩解脱、罪業消滅を祈って108回撞く。そう言ったのはおまえだ。」 言われ、そんなことを言ったかもしれないと、ぼんやり記憶を辿る。 「……「そんなに煩悩があるんだね。」とは、そっちの言葉だったよな。」 「それは銀次(ヤツ)の言ったことだ。俺ではない。」 その言葉に、雷帝は笑みを消し、眉根を少しだけ寄せた。 「……そうだったか?」 雷帝の反応に、蛮は小さく笑みを浮かべる。 雷帝はそれが気に入らなかったのか、前触れもなく、止めていた動きを再開 させた。 「うぁっ!きゅ……に、動く……なっ!」 制止しようと伸ばされた腕はその用をなさず、逆に雷帝に絡めとられ、シー ツを掴まされる。 容赦ない行為に、程なく、蛮は思いを吐き出した。 少し遅れて、雷帝も絶頂を迎える。放たれた精は、そのまま蛮の中に注ぎ込 まれた。 「……煩悩解脱、か。」 繋がったまま、雷帝が小さく笑う。 それに、蛮が億劫そうに視線を向ける。 「こんな状態では、煩悩解脱もクソもないもんだな。なぁ?蛮?」 小さな笑いを洩らす雷帝に、蛮の頬に朱が散る。 「て、てめぇが始めたんだろうが!!」 「共犯、だろう?……これでは。」 現状を知らしめるかのように、小さく腰を揺すられる。途端、結合部から水 音が零れた。 しとどに濡れたそこを改めて意識させられ、蛮の頬が更に赤みを増す。それ に、雷帝は更に笑みを深めた。 「今更照れることもないだろう。それに、これはこれで、乙な年越しだと思わ ないか?」 「思うか!」 楽しそうに笑う雷帝とは裏腹に、蛮は声を荒げた。 「年を跨いでするお参りを「二年参り」と言ったか。では、これは、さしずめ 「二年交尾」とでも言ったところか。」 「それとも「二年SEX」のほうがいいか?」と訊いてくる雷帝に、 「言うかっっ!!!」 と、蛮は顔を真っ赤にして叫んだ。それが、更に雷帝の笑みを深めると分かっ てはいても。 一頻り笑った雷帝が、不意に真摯な眼差しを蛮に向ける。 「言い方などどうでもいい。今年の終わりと新年の始まりに、こうしておまえ を組み敷き、思う存分鳴かせ、この体に俺を刻み込ますことが出来れば満足な のだから。」 その言葉に、蛮の体の奥で何かが脈打った。 「……今年は俺で終り、来年も俺で始まる。乙な年越しだろう?」 満足げに笑みを浮かべる雷帝に、蛮は何も答えなかった。 蛮からの答えを望んでいなかったのか、それ以上は雷帝も言わず、ただ静か に蛮の唇に己の唇を寄せた。 触れるだけの口付け。 一瞬だけ合った視線に、けれど、蛮は直ぐに目を閉じた。 「……年が明けた。」 「………あ?」 声に視線を上げれば、確かに時計は12時を回っていた。 「さぁ、新しい年の始まりだ。新年を祝って、たっぷりと楽しむとしよう。」 楽しそうに笑む雷帝に、蛮が青褪める。 「ちょっ、待て!マジでする気か!?」 「冗談は言わん。」 逃げを打つ腰を引き寄せる。両足を掴んで大きく開脚させ、結合部が蛮にも 見えるよう、そのまま腰を高く上げた。 「な……っっ!?」 視線の先の光景に、蛮は真っ赤になって絶句した。 「夜は長い。存分に楽しもう。」 楽しそうな雷帝とは裏腹に、蛮の顔が青褪める。 「俺を殺す気か!?」 「心外だな。そのような気など、毛頭ない。」 「てめぇになくても、その確率は十分なんだよ!1日は銀……っ!」 言いかけた苦情は口付けで塞がれた。 「安心しろ。朝までには解放してやる。それから……。」 言葉を一旦区切ると、雷帝は口元を笑みの形に歪めた。 「手加減は銀次(ヤツ)にしてもらえ。」 「………っ!?」 その言葉に、蛮は再び絶句した。 その表情に楽しげな笑みを浮かべた雷帝は、ゆっくりと腰を揺らめかせ出し た。 「……バ……カやろ……っっ!は、ぁ……っあぁ……っっ!」 悪態をつけたのも最初のうちだけで、結局、徐々に激しさを増す雷帝の行為 に抗うことも出来ず、その後、蛮の口から零れ落ちたのは甘い嬌声だけだった。 END naoさま、大変長らくお待たせしました。 リクの「雷×蛮で裏あり」です。 ……Hがぬるくてすみません; そして、相変わらず、雷蛮は甘い(笑) (Hが)ぬるぬるなSSですが、少しでも気に入って いただければ幸いです(^^;)