hizouhin-negima1
この人にとって、僕は一体どんな存在なんだろう。
Call my name
びちゃ、と、濡れた音が響いた。
艶のある、甘い声で、彼は僕の名前を囁く。囁きながら、手の動きをやめない。僕を見る、じっと、見る。
僕は彼の、タカミチの、普段はぼんやりとしている瞳の奥を見つめていた。まっすぐに。
普段はぼんやりしているように見えるのに、こういう時だけ、彼の瞳の奥は鋭く光る。それが少しだけ好き
で、また、嫌いだった。
びちゃ、と、また、濡れた音が響く。
もうどうなっているのかわからなくなるほど限界に達すると、僕はいつも、ある妄想に取りつかれる。こん
なことは虚言で、妄言で、真実であるはずがないとわかっている、と思うのに、その妄想は僕から離れず、快
楽におぼれそうになる思考を叱咤して、苦しめる。
こんな行為は、気持ちよく、ない。
タカミチの大きな手は、さっきからずっと、僕のペニスを愛撫している。包んで、握って、上に下に、いろ
いろな動きをされながら、その度に奇妙な刺激が僕を襲う。気持ちが良いような、悪い、ような。
タカミチと僕が、いわゆる、「そういう関係」になったのは、最近のことだ。タカミチが求めて、僕が答え
た。タカミチのことは真実好きだったし、それがある種異常な感情だということも理解していたから、僕には
何の抵抗もなかった。驚いたけれど、嬉しく感じすらした。
「ねぎくん、」
タカミチは甘い声で囁く。
囁きながら、汗でびっしょりとなったシャツの裾から左手を入れる。上に、上に、のぼってくる手は、優し
くじらすように、触れるか触れないか程度のところで肌を触ると、胸の突起を優しく摘まんだ。
また、だ。
気持ち良いような、悪い、ような。
奇妙な感覚は途切れない。なのに、その度に僕は言語にすらなっていない声をあげる。それを聞いて、タカ
ミチは心底幸せそうな顔をする。
左手は、胸の突起をつぶしたり摘まんだり、ひっかいたりして動き回る。シャツは着たまま。ボタンも閉じ
たままで、窮屈な場所で動き回られ、僕は苦しい。苦しいのに、その奇妙な感覚を受け入れてしまう。
左手が弄る右の突起が、びんと勃っているのが良くわかった。右だけじゃない、左の突起も、びくびく脈
打ってるのが分かる。じれったい、右で動くたびに、シャツが擦れて弱い刺激を与える。もっと強い刺激が欲
しかった。
うう、と声をあげて、タカミチを見る。彼はわざと右だけ弄っているようで、にこやかな笑みすら浮かべて
いる。そういえば、胸に意識が集中するよう、先程まで右手でしていた股間の愛撫をやめていた。
「ねぎくん、どうして、ほしい?」
「ふぁっ……あ、は、ぁ……」
弱い息が漏れ出る。完全に胸に意識が集中していた。右の突起がひくひくしているのが良くわかる。今はも
う、右にも強い刺激は与えられず、左手は突起の周囲をくるりと指でなぞるだけ。ゆるゆると動く手がじれっ
たくて、僕はタカミチを睨んだ。
「どこをさわってほしい? ねぎくん」
「ふ、ぁ、ん……う、」
ゆるゆると、ゆるゆると。
左手の動きは止まらない。断続的に与えられ続ける弱い刺激に耐え切れなくなって、僕は小さく息を吐いた。
そのまま、
「う、ん……あ、む、むね……」
「うん、むねのどこ?」
「……ふぁっあ、ぅ……くび、ちくび、さわっ……」
息とともに吐き出すと、左手は再び突起を弄り出した。シャツの上からでもよくわかるほどにぴんとたった
それを、はじいては摘まみ、揉み、潰す。今度は右手もゆっくりと上がってきて、両方の突起が弄られる。
求めていた強い刺激に、僕の体はびくびくと脈打つのだけど、そうすると今度は下の、まだ小さいペニスが
刺激を求めてひくつき始める。
タカミチはそれを確認して、自分の膝をこすりつける。粗い布が裏側をこすって、奇妙な感覚は強烈な刺激
となって僕を襲う。
ああ、ほんとう、に、
この人にとっての僕は一体何なんだろう。
恋人?
(こんなに年が離れているのに?)
友人?
(友人がこんなことをするわけがないじゃないか)
家族?
(彼が呼ぶ声は、家族のそれとは違う)
性欲、処理?
(いまのところ、それが一番ただしい)
考えると涙が出る。生理的なものも含めて、気持ちがいいんだか悪いんだか、僕はわからないまま喘ぐ。
タカミチが好きだ。大好きだ。愛している。なのに、僕はこの気持ちを、タカミチに告げたことはない。タ
カミチから得たこともない。
僕たちの関係は一体何なのだろう。
タカミチは突起をいじるのをやめると、再びペニスに集中し始めた。それから今度はゆっくり指を滑らせて、
お尻の割れ目を優しくなぞる。奇妙な感覚が全身を駆け巡って、がくがく震えるのを止めるのに必死だった。
タカミチの舌がシャツ越しに、胸の突起をなめて、甘噛みし、吸っている。
わけがわからなくなる。自分がどこにいるのか分からなくなって、なぜこんなことになっているのかが分か
らなくなる。
そのうち、
僕が抱くこの最低な妄想は、ひ弱な体には強烈すぎる快感によって奥へ奥へと押しやられ、
もうすぐ僕は何もかもが分からなくなるのだけど、
その前に、
「ねぎくん、ねぎくん、ごめん、ほんとうに、ごめん」
ゆるゆると首を振りながら、瞳に鋭い光を潜ませながら、愛撫を止めないその口で、彼はそう言う。
ああ
ゆっくりと、勃起して膨らみあがったタカミチのペニスが、後ろの小さな口へとあてがわれる。僕はそれを
ぼんやりと、何も写さない瞳で見つめて、それから、
最中のタカミチのその声色で、もう一度名前を呼んで欲しいと思った。
ねえ、タカミチ、この行為に愛があると言うなら、もっと僕の名前を呼んで。
その声に答えがある気がするのに
(快楽におぼれる僕は、下へ下へと堕ちていく妄想にどうしようもなくなっている)
THE END
「蒼き翼〜ネギま同盟女子部」のキリ番の逆リクでクラムナ様から
いただいたタカネギですv無茶なお願いにもかかわらず受けてくだ
さって、ありがとうございましたv
リク内容は、「ネギ君受けでキス以上。お相手はどなたでも」でし
た(笑)
わ〜いvネギ君受けだ〜vと喜んだのも束の間、ネギ君が気の毒で
・・・・(ToT)
タカミチにパンチを喰らわせたい気持ちになったのは、言うまでも
なく。ええ、多少の殺意も芽生えましたよ。ふふ。
タカミチver.も書きたいとおっしゃられているので、ぜひそちら
も、仕上がったらくださいねv(おい)
クラムナ様、ありがとうございましたv