「コタロー君、話があるんだけど、いい?」

				「ん?なんや?」

				「うん。アスナさんのことなんだけど…。」

				 そう言ってネギに促され、二人きりになった部屋で聞かされた事実に、コタロー
				は驚きに目を瞬かせた。

				「ホンマか!?」

				「うん。」

				「どう見てもアスナねーちゃん本人にしか見えへんけど……。」

				「ルーナさんが『偸生の符(シグヌム・ビオレゲンス)』で変装してるんだけど、
				自己暗示で本人だと思い込んでるからね。僕もラカンさんに言われるまで、疑いも
				しなかったよ。」

				 ラカンの名を口にした瞬間、ネギは辛そうな顔をした。それはほんの一瞬だった
				が、コタローはそれに気がついた。

				『なんて顔しとんのや。』

				 ほんの一瞬だったけれど、それでもあまりに辛そうな顔に思わず、コタローはネ
				ギを抱き締めていた。

				「え……?」

				 突然のことに、ネギはされるがままだ。

				「コ、コタロー君…??」

				 腕の中、頬を淡く染めたネギが、半ば固まったまま目を瞬かせた。

				 普段なら身長差のほぼない二人だが、コタローが年齢詐称薬を服用しているため、
				ネギの細い体はコタローの腕にすっぽり収まってしまう。

				『こんなに細いんやな。』

				 そう思ったら、思わず、抱く腕に力が入ってしまった。

				「ちょ、コタロー君…っ苦しい…っ。」

				「あ、悪ぃ。」

				 ネギの抗議に、コタローは力を緩めた。けれど、抱擁を解くことはしなかった。

				 抱き締めたまま離す気配のないコタローに、ネギは困ったように首を傾げた。

				「あの、コタロー君…。」

				「絶対何とかしたる。」

				「え?」

				 不意に聞こえた声に、ネギは顔を上げコタローを見た。

				「アスナねーちゃんのことは任しとき。俺が何とかしたる。」

				 そう言って口元を笑みの形に歪めるコタローに、ネギは数度目を瞬かせた。そう
				して小さく頷くと、力を抜き、コタローに身を委ねた。

				「……うん。頼むね、コタロー君。」

				「任しとき。」

				 コタローの服の裾を握り締めるネギの旋毛に、コタローは触れるか触れないかの
				キスを落とした。











				THE END





		 	















					原作ネタ。
					コタの腕にすっぽり収まっちゃうネギ君に萌え。