「STAND BY ME」、「AFFECTION」と同一設定のパラレルで、
				ネギ君18歳、タカミチは35歳くらいです。
				でもって、既に同棲中(爆)という設定ですので、ご注意ください。
























				「ごめんね、タカミチ。見送りに行けなくて。」

				「気にしなくていいよ、ネギ君。」

				 申し訳なさそうに謝るネギに、タカミチは小さく笑いかけた。

				「でも……。」

				「昨日はちょっと激しすぎたからね。まだだるいだろう?僕のことは気にせず、ゆっくり
				休んでおいで。」

				 そう言って、タカミチはネギの頭を撫でた。

				 タカミチの言葉に、思わず昨夜のことを思い出したネギは顔を赤らめた。

				 同時に、「ちょっと」激しかった昨夜ですら、途中から意識が飛んだのか記憶があいま
				いだと言うのに、そうでなかったらどれだけ激しいんだろうかと、思わず想像しかけて、
				ネギは慌ててその想像を振り払った。

				 顔を真っ赤にして頭を振るネギに、何を想像したのか察したタカミチが薄く笑う。

				「戻ったら実践してみせようか?ネギ君。」

				「ひあ!?い、いい!遠慮しとく!」

				 耳元に囁かれた言葉に、ネギは一歩後ろに下がると同時に、ぶんぶんと手を振ってそれ
				を拒絶した。

				 ネギの反応に、タカミチの笑みが深まる。が、不意に真面目な顔になると、タカミチは
				片手でネギを引き寄せた。

				「それはともかく。僕の留守中、くれぐれも気をつけるんだよ?ネギ君。」

				「うん…。」

				 タカミチの一週間の出張(と言う名目の魔法世界での仕事)が決まってから、何度も繰
				り返されている言葉。流石に何度も繰り返されれば、それが戸締りや火の元と言った、ご
				く一般的なことを注意するようにと言っているのではないことに気づかないわけがなかっ
				た。

				『タカミチの心配するようなことなんてないのに…。』

				 人からの好意にとても鈍いネギは、タカミチの心配は杞憂だと思っている。そのため、
				タカミチの言葉を、あまり真摯に受け止めていなかった。

				「大丈夫だよ、タカミチ。だから安心して行ってきて。」

				 そう言ってにこりと笑うネギに、タカミチは思わず溜息を吐きたくなってしまった。

				 本当に大丈夫なら、これほど何度も注意しやしない。なのに、ネギには全くと言ってい
				いほど、タカミチの思いは伝わっていなかった。

				 タカミチは一つ小さな溜息を吐くと、ネギの腰に腕を回し引き寄せた。そうして、その
				細い首に口付けで辿りながら、幾つかのキスマークを付けた。

				「タカミチ…っ!?」

				「僕の留守中に悪い虫がつかないようにね。」

				 真っ赤になって首を押さえるネギに、そう言ってタカミチは片目を瞑って見せた。その
				言葉に、ネギの顔が更に赤くなる。次いで、口を尖らせた。

				「じゃ、ネギ君。行ってくるよ。」

				 タカミチは膨れているネギの頬にキスをすると、スーツケースを手にドアを開けた。

				 そのまま出ていこうとしたタカミチを、けれどネギは黙って見送ろうとはしなかった。
				背を向けたタカミチに後ろから抱きつくと、首にキスマークを付けたのだ。

				「ネギ君!?」

				 驚きに目を瞬かせたタカミチに、ネギが頬を淡く染めたまま悪戯っぽく笑う。

				「虫よけだよ。」

				 そう言ってはみたものの照れたのだろう、ネギは更に頬を赤らめた。

				「は、早く行かないと遅れちゃうよ!行ってらっしゃい、タカミチ!」

				「いや、ちょっと、ネギく…。」

				 ネギは何か言おうとするタカミチを無視し、その背中をぐいぐい押して外へ追い出して
				しまった。

				「ネギ君!」

				 目の前で閉まるドアに、思わずネギの名を叫ぶ。が、ドアが開かれることはなかった。

				 ドアの向こうで真っ赤になっているであろうネギを思い、一瞬、ドアをこじ開けてでも
				中に入ろうかと考える。が、フライトの時間が迫っていることもあり、思い止まった。

				 仕方なくも踵を返し、歩き始めるが、どうにも顔のにやけが止まらない。タカミチはそ
				れを隠すため、口元に手を当てた。

				「……参ったな。」

				 首に残る朱色の刻印。ネギが初めて付けたそれが、甘く疼く。しかし、ここまで煽られ
				てお預けとは。

				「長い一週間になりそうだな。」

				 苦笑と共に独り言つ。

				 一週間の予定を、さてどうやったら短縮できるか。タカミチは綿密な計画を立てながら、
				ネギ宛てに短いメールを送った。



				『ネギ君。僕の帰りを覚悟して待つように。』










				THE END





		 	















				バカップル…(笑)

				離れている間の時間は、ネギ君にとっては短く、タカミチにとっては長いもの
				だったことでしょう(笑)
				きっとタカミチは、4、5日で帰ってきたに違いない。