INSANITY
「中途半端な力程、惨めなものはない。そうは思わないかい?ネギ君。」
かけられた言葉に、荒い息の中、ネギはゆるゆると視線を上げた。
「君は、確かに強くなった。最初に会った時とは比べ物にならないほどに、ね。それでも、僕には敵うべくもない。
僕の足もとにも及ばない、とまでは言わないけれど、力の差は歴然としている。それは、君にも分かっているはず
だ、ネギ君。」
触れてくる指を、だが拘束された腕ではそれを払う術もなく、せめてと、ネギは唇を噛み締めてフェイトを睨み
つけた。
「……まだそんな目を僕に向けることができるんだね。なかなかどうして、強情だ。」
抑揚のない言葉を紡ぐ口元が、微かに歪む。
「けれど、そうでなくては面白くない。どこまで耐えられるか、楽しみだよ、ネギ君。」
口元を微かに笑みの形に歪めたフェイトに、ネギが体を震わせる。
拘束され、体を自由に動かすこともままならない現状に、それでも少しでもフェイトから離れようと身動ぎする。
しかし、そんな抵抗など、フェイトにはないも同然だった。細い足首を掴むと、そのまま足を左右に開かせた。
「やだ……っ!」
途端、ネギの口から悲鳴にも似た声が上がる。体を強張らせ、いやいやをするように頭を振るネギ。
先ほどまで強い意志を湛えていた瞳が恐怖に彩られる様に、フェイトの笑みが僅かに深まる。
「君の瞳が恐怖に彩られるのを見るのは、ひどく心地がいいね、ネギ君。けれど、簡単に屈服されてはつまらない。
できるだけ長く抵抗して、僕をもっと楽しませてくれないか。」
僅かに感情を滲ませた声、口元に微かに浮かんだ笑み、それらがさらにネギの恐怖を煽った。固く目を瞑り、頭
を振って拒絶の意思を表す。
「…いや…だ…や……っ!」
「決定権は君にある。僕に屈服するか、それとも、快楽に狂うか、二つに一つだよ、ネギ君。それ以外に選択肢が
ないのは、言わなくても分かっているね。」
ネギの顎を掴んで上を向かせると、言い聞かせるように、フェイトは殊更にゆっくりと言葉を紡いだ。
「どちらを選ぶかは、君の自由だよ、ネギ君。好きなほうを選ぶといい。」
抑揚のない声で告げられる残酷な言葉。それでもフェイトの口元は、はっきりと笑みの形に歪んでいた。
「や…ひっ!やぁ…っ!」
露わになった肌に触れてくる指に、唇に、ネギの口から悲鳴めいた声が上がる。自分の意志とはお構いなしに反
応する体に、瞳から涙が零れ落ちた。
「さて、君はどちらを選ぶのかな?ネギ・スプリングフィールド。」
THE END
朱里さま、お待たせしました。130001のリクエスト、白髪の少年×ネギです。
「拘束っぽいものなら尚嬉しい」とありましたが、「ぽい」どころか、思いっきり
「拘束」ネタです;
自分で書いておいてなんですが、フェイトが鬼畜で怖いし・・・(ToT)
10歳にすることじゃないですね・・・;反省;
イラストにしようと思っていたのですが、結局SSになりました;すみません;
少しでも気に入っていただければ・・・って、無理ですか?(^^;)