「じゃあ、それを態度で表してみ?」 そう促せば、おずおずと、頬に触れる柔らかな感触。触れて直ぐに離されるそれに、思わず苦笑 してしまう。 「『好き』のキスはこっちだろ?」 「え…?ん……っ。」 苦笑交じりにそう告げて、唇に触れるだけのキスを一つ落とす。 途端真っ赤になるのが可笑しくて、ついつい口元に笑みが浮かんでしまう。 「やってみ?」 「え…でも、あの……。」 頬を赤らめて困惑気味に視線を彷徨わせるネギ。 ギリギリまで顔を近づけて、その顔を真っ直ぐに見つめれば、逃げることも視線を外すことも出 来なくなったネギの瞳が潤む。 その瞳の言わんとしていることは分かったが、逃げ道を与えてやる気はなかった。 「ネギ…?」 名前を呼べば、逡巡した後、躊躇いがちに肩にかかる両の手。そうして、触れるか触れないかの キスが唇に落とされた。 キスと言うにはあまりに拙いそれに、思わず口元に笑みが浮かぶ。 「良くできました。」 言いながら引き寄せ、驚きに何か言おうと開きかけたそれをそのまま唇で塞ぐ。視線の先、大き な瞳が更に大きく見開かれた。 「と…うさ……っんん…っっ。」 一度離して、再度塞ぐ。逃げようともがくのを更に深く抱き込んで、深く口付けた。 「ん、んん……っっんんっっ。」 放してくれとばかりに胸を叩く手の、その力が抜けるのに、幾らもかからなかった。 「は…ぁ……。」 解放してやれば、幾分熱を帯びた吐息と共に、くたりと力なく凭れかかってくるネギ。それをそ のまま抱き止める。 息継ぎが上手く出来なかったのだろう、どこか苦しげに浅い呼吸を繰り返すネギに、小さく苦笑 を漏らした。 「お子様に大人のキスは、まだ早かったな。」 僅かに滲んだ揶揄の色に、ネギが潤んだ瞳を向けてくる。 漏れた言葉に不満でも抱いたものか、言葉はないが、勝気な瞳がそれを物語っている。 『そういう反応は、相手の思う壷だぞ。』 と、さて、教えるのにどんな手段を使おうかと、顎に手を当て、そのままゆっくりと掬いあげた。 THE END ナギネギでクリスマスネタが浮かばなくて、結局できたのが これ。 タカネギなら浮かんだんだけどなぁ(苦笑) クリスマスまでにはUPしようと思っていたのですが、結局 過ぎてしまいました(^^;) まぁ、クリスマスとは関係ないネタなので、時季がずれても 問題は全くないのですが。 書きたいとこだけ書いたので、状況がさっぱりさっぱりです みません;小ネタってことでご容赦を(^^;)(←おい) ナギがこの後どうしたかは、ご想像にお任せします(笑)![]()