2 「で?俺は何をすればいい?」 不思議な煌きの瞳が、俺を真っ直ぐに見てそう問い掛けた。 それは、本当に不思議な、そしてとてもきれいな色だった。 青と、紫と、そのどちらの色をも併せ持った瞳。こんなきれいな色は、今 まで見たことがなかった。 ぼんやりとその瞳に見入っていたら、額を小突かれた。 「おい、人の話を聞いてっか?」 「え?あ、ああ。ごめん。あんまりきれいな色なんで、見惚れてたんだ。」 一瞬、CPU(でいいんだよね?)に対して何を言ってるんだろうと思っ たけれど、本当のことだからしょうがない。照れ笑いを浮かべてそう言えば、 彼は不思議そうな顔をして俺を見た。 「きれいな色?何が?」 「君の瞳が。すごくきらきらして、きれいだ。こんな色、見たことがないよ。」 そっと、顔を近づけて瞳を覗き込む。 不思議な色に煌く瞳に、俺の姿が映っていた。 「こんなガラス玉がか?変なことを言い出す奴だな。」 彼は呆れたようなそう呟いた。 「ガラス玉?」 「に決まってんだろ?俺はCPUなんだから。」 そうか、ガラス玉なんだ。 けれどその事実は、彼の瞳の煌きを曇らすような事柄では決してなかった。 「……ねぇ、君の事、教えてよ。」 「俺のこと?」 「うん。だって、君だけ俺のこと知ってるのは、不公平だもん。」 「ほんとに変な奴だな、おまえ。」 そう言った俺に、彼は一瞬呆れたような顔をして、けれど次の瞬間、小さ く笑みを浮かべた。 その笑みはひどく俺を惹きつけて、なんでだろう?男なのに、それどころ か人間でさえないのに、俺の胸は高鳴った。 「あ、でもその前に、服着てくれる?」 「その格好じゃ落ち着かないからさ。」と続けた俺に、彼はこくりと頷い た。 →3