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		「で?俺は何をすればいい?」

		 不思議な煌きの瞳が、俺を真っ直ぐに見てそう問い掛けた。

		 それは、本当に不思議な、そしてとてもきれいな色だった。

		 青と、紫と、そのどちらの色をも併せ持った瞳。こんなきれいな色は、今
		まで見たことがなかった。

		 ぼんやりとその瞳に見入っていたら、額を小突かれた。

		「おい、人の話を聞いてっか?」

		「え?あ、ああ。ごめん。あんまりきれいな色なんで、見惚れてたんだ。」

		 一瞬、CPU(でいいんだよね?)に対して何を言ってるんだろうと思っ
		たけれど、本当のことだからしょうがない。照れ笑いを浮かべてそう言えば、
		彼は不思議そうな顔をして俺を見た。

		「きれいな色?何が?」

		「君の瞳が。すごくきらきらして、きれいだ。こんな色、見たことがないよ。」

		 そっと、顔を近づけて瞳を覗き込む。

		 不思議な色に煌く瞳に、俺の姿が映っていた。

		「こんなガラス玉がか?変なことを言い出す奴だな。」

		 彼は呆れたようなそう呟いた。

		「ガラス玉?」

		「に決まってんだろ?俺はCPUなんだから。」

		 そうか、ガラス玉なんだ。

		 けれどその事実は、彼の瞳の煌きを曇らすような事柄では決してなかった。

		「……ねぇ、君の事、教えてよ。」

		「俺のこと?」

		「うん。だって、君だけ俺のこと知ってるのは、不公平だもん。」

		「ほんとに変な奴だな、おまえ。」

		 そう言った俺に、彼は一瞬呆れたような顔をして、けれど次の瞬間、小さ
		く笑みを浮かべた。

		 その笑みはひどく俺を惹きつけて、なんでだろう?男なのに、それどころ
		か人間でさえないのに、俺の胸は高鳴った。

		「あ、でもその前に、服着てくれる?」

		 「その格好じゃ落ち着かないからさ。」と続けた俺に、彼はこくりと頷い
		た。



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